固有値方程式にについて

このページでやること

固有値方程式について

行列とベクトルの固有値方程式Ax=\lambda xについて

固有値方程式の解き方

固有値方程式はその方程式が成り立つ条件(いろいろ式変形して行列式が0になる).
から固有値をまず出します.
次に固有値方程式に固有値を代入して固有ベクトルを求める.
それで固有値,固有ベクトル両方OKって感じ

固有値方程式について

固有値方程式は最近は量子力学演算子のバージョンをつかってきたはず.

\hat{H}\psi=E\psi
\hat{H}ハミルトニアン演算子Eがエネルギー固有値なのです.

固有値方程式はその前の線形代数でも出てます.
行列の固有値

\begin{pmatrix}
a_{11} & a_{12}\\
a_{21} & a_{22}
\end{pmatrix}
\left(
\begin{array}{c}
x_1 \\
x_2
\end{array}
\right)
=\lambda
\left(
\begin{array}{c}
x_1 \\
x_2
\end{array}
\right)
で左の行列が量子力学での演算子,ベクトルが波動関数,λが固有値です.
そしてこのときのベクトルを行列の固有ベクトルといいます.

一般にベクトルに行列をかけても上のような固有値方程式になりません.(行列をかけて元の定数倍のベクトルに一般にはならない.)
しかしベクトルをうまくとると
その行列を作用させたときに定数倍のベクトルになる.というベクトルをうまくとることができます.
このときのベクトルと定数を行列の固有ベクトル,固有値というのです.

こう見たら量子力学のときと対応が見えると思います.

固有値方程式をとく.

まず固有値から

今回使う行列をA,固有ベクトルx,固有値\lambdaとします.

そうすると固有値方程式は

Ax=\lambda x
となる.
これを変形すると

Ax - \lambda x = 0
このときの左辺は0って書いてるけど0ベクトルのことです.
そしてこれをxでくくると

(A-\lambda E)x=0
Eは単位行列です.

x=0は自明(trivial)な(そりゃそうだこんなの意味ねえよっていう)解になる.
では非自明(nontrivial)な解(意味のある解)はどうするのか.
非自明な解を持つ条件から求める.
その条件は A-\lambda E逆行列を持たない
つまりA-\lambda E行列式(det)が0(det(A-\lambda E)=0)となる.
というのが条件になるのです.
逆行列を持たない理由,逆行列を持たないが行列式が0ということになる理由はphysicsmashiro.hatenablog.com
に書いておく.
わかる.
もしくは後で読むからいまはこの認めて進む.
というときは飛ばしてもいい.

A-\lambda E逆行列をもたない まできた


(A-\lambda E)x=0
という式が非自明な解(意味のある解)を持つには
A-\lambda E逆行列をもたない->つまり行列式が0
det(A-\lambda E)=0
となる.
これを解けばまず固有値\lambdaが求まる.
一般に固有値はその次元の数だけある.

今回は2次元なので簡単に解ける.サラスの法則を使えばいい.

まあそれで固有値が出てきたとしよう.

次は固有ベクトル

今解いている固有値方程式を思い出してほしい.

Ax=\lambda x\\
\begin{pmatrix}
a_{11} & a_{12}\\
a_{21} & a_{22}
\end{pmatrix}
\left(
\begin{array}{c}
x_1 \\
x_2
\end{array}
\right)
=\lambda
\left(
\begin{array}{c}
x_1 \\
x_2
\end{array}
\right)
これに固有値λを代入してあとは固有ベクトルを求めておわりだ.
普通に方程式があって一つがわかったら代入して次を求める.よくやる方程式を解く方法.

これもあとは代入して解くだけなので大丈夫だとおもう.
2次元だから普通の連立方程式だと思っても解けるから大丈夫.
これを例えば\lambda_1,\lambda_2での2つの場合で解く.

結果固有値固有ベクトルは今回は2つ出る.

具体的な計算例をとくに書いていないけどどうだろう.

今回必要な線形代数はこんなもんかな.