フィギアスケートと角運動量と回る椅子

フィギュアスケート選手がいきなり早く回る理由?

フィギュアスケート選手が小さくなった状態から立つことで回転が速くなるというところから物理を見ることができます。

いわゆる角運動量保存の法則というやつです。

身近なところで実験

この記事を書いたのもふと「角運動量が保存しているかなー」と自分で実験をしてみたところからです。

回る椅子に座ります。

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足で地面を蹴って回ります。
この時に足を伸ばして回りましょう。 (vは回転の速さでrを足の長さだと思ってください)

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そして、回っている途中で足を閉じて見ると、回転が速くなります!!

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なんで速くなるの?

ざっとした話になりますので細かいところなどは突っ込んでもらって結構です。

上の画像にrとvという矢印が書かれていますが、そこがキーポイントになります。

角運動量の保存則と言って

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回っている物(ここでは人)の半径rと その回っている速度vの掛け算は一定になります。
(大学生はもう少しちゃんと説明できるようにしよう。) なので

r \times v = 一定

よって半径rが小さくなると速度vが大きくなることでr \times v = 一定
という式を保とうとします。

半径と速度が反比例の関係にあると言っても良いでしょう。

最初の足を伸ばしている時に速く回せば速く回しているほど、足をたたんで回転が速くなることを実感しやすいのでそこをコツとしてやって見るといいと思います。

大学生はもう少し、

小学生、中学生、ギリギリ高校生までは上の説明で速くなると解釈してもらってもいいと思いますが、
大学生なら剛体の力学で考えてみましょう。

慣性モーメントIと角速度ωを導入すると角運動量Lは

L = I \omega

になります。 足を伸ばした状態から畳むことで回転体(この時は椅子と自分)の慣性モーメントが変化します(この時は小さくなる)。
よって角運動量を保存しようとして角速度ωが増えることになります。

説明の仕方

フィギュアスケートに代表されるこの角運動量の保存則。
中学生の妹には前半の説明ですぐに納得してくれましたが、実際はこんな説明してしまっていいのか?と不安になってしまったのですがどうなのでしょうか?

実際には角運動量L=r\times vというのは質点の角運動量ですし、速度vが速くなるという表現はあまり良くなくて、回転が速くなっているというのは角速度ωが速くなっているわけであって色々厳しい人に言わせればこんな説明は誤解を招くなど言われそうな気もしますがどうなのでしょうか。

こういう一般向けへの物理の説明に関してまだまだ学ばなくてはいけない気がします。

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