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QFT peskin Section4.6 のまとめ

場の量子論 物理

前回はpeskinのQFTの Section4.6 Computing S-Matrix Elements from Feynman Diagrams

をゼミで行いました。 そのまとめを書いていきます。

前回のセクション

この前のセクションではS-Matrixのうちの非自明な部分であるM-matrix elementsが散乱断面積、そして減衰率どのような関係かを見ました。

今回のモチベーション

なのであとはM-matrix elementsを評価できれば散乱断面積を求めることができるので、それをモチベーションとしてどのようにMを評価するかを考えて行きます。これをFeynman diagramsを使って評価する方法を探して行きます。

まず、S-Matrixを定義に戻って時間発展演算子で書いて、その時のinitial-stateとfinal-stateは相互作用がある時の状態のブラケットになっているので、それを既知の非摂動(相互作用がない)状態で対応づけることを考えます。この対応づけは前のセクションで相互作用している状態の真空を相互作用していない真空(|0>)で書き直したのでそれから類推して、

{ \displaystyle
|k_A k_B> \propto \lim_{T \rightarrow \infty(1-i\epsilon)}|k_A k_B0>
}

右辺のケット0は非摂動な状態(相互作用がない状態)であることを書いています。 とりあえずこの類推の指揮を認めて話を進めて行きます。ちゃんとした証明はSection7.2まで持ち越されます。

類推から得た(4.88)を使ってS-Matrixを非摂動な状態で書き直します。この時(4.89)式はシュレディンガー描像から相互作用描像に移ることで相互作用描像の時間発展演算子U(T,-T)を非摂動のinitial-stateとfinal-stateの式で挟む形で書けます。

展開して非自明な項を探していこう

0次の項

相互作用描像の時間発展演算子がexpの形でかけることからこれを展開して0次の項、1次の項の順番で見て行きます。 ここで最初のモチベーションに戻るとSの非自明な部分Tを求めたい(Tの中に非自明なMがある)。 S = 1 + iT このTを求めたいのだがexpの0次の項はもちろん1なのですぐわかるようにinitial-stateのA,Bの粒子は互いにぶつからない Feynman diagramがかけます。このdiagramはinitialとfinalの粒子が同じ粒子なのでSの自明な1の部分であることがわかります。

1次の項

次の1次の項ではφ4理論の相互作用ハミルトニアンを考えます。φφφφの時間積が出てきますが、Wickの定理でT積をN積に変えることで contractionsが出てきますが両サイドが真空ではないのでフルのcontractionでなくても消えません。なので中途半端にcontractしている演算子をどうするかを考えなくてはいけません。

そのためにφと|p>の関係を見ていなくてはいけません。φがφ^+ と φ^- に分けることができるができたことを思い出すと、 φ^+を|p>に作用させるとφの消滅演算子と|p>の生成演算子を交換させて計算することでexp(-ipx)|0>にすることができます。 交換させて計算した時に交換子だけが残ってexp(-ipx)|0>ができたこと考えるとこれはφ^+と|p>の交換関係だと捉えることもできます。 演算子同士のcontractionが演算子の消滅演算子と生成演算子の交換関係で定義されていたのを思い出すとこれもcontractionということで自然に定義できると思います。 それが(4.94)です。

では実際にφφφφのcontractionsについて計算してみよう。

ちなみにフルにcontractしている項に関してはFeynman propagatorなので演算子ではなくなりブラケットの外に出ます。なので結局Sの非自明な部分である1に対応する項になります。

φφφφのうち二つがcontractしていて二つがそのままの項を考えてみると生成演算子と消滅演算子が同じ数の項だけが残ります。 つまりここでは(adag adag + 2 adag a + aa)のうち 2 adag aの部分のみが残りますが、これはつまりφ^- φ^+だけが残るということなので、 <pp|φ^- φ^+|pp>だけが残ります。ちなみに|pp>というのは|p>|p>でかけるので <p|<p|φ^- φ^+|p>|p>と書いてみるとわかりやすいと思うのですがφ^+|p>という部分を見てみると上で定義したcontractになります。 つまり、φφφφのうちφ同士でcontractしなかったφは状態の方とcontractするということがわかります。この時のダイアグラムを書いてみるとわかりますが、ここでも結局この項はSの自明な1の部分を表しています。

φφφφで何もcontractしていない項はinitialとfinalの4つの粒子状態とcontractします。このdiagramを書いて計算してみると、運動量保存を表すデルタ関数が出てきます。これをS=1+iTのiTを非自明なMを使った書いた部分と見比べるとM=-λを得ることができます。これを使って微分散乱断面積、散乱断面積を計算することができます。 ここで計算する散乱断面積がpeskinで初めて計算する散乱断面積になります。散乱断面積にカップリングコンスタントλが入っているので実験では散乱断面積を測定することでこれを決定することができます。この理論が正しいかどうかは今回のような4点相互作用ではなく3点相互作用などでも実験で検証することで確かめられるそうです。

無限大を回避しよう

ここで一般的な議論に戻り、Sの非自明な部分iTについて考えます。そうするとdiagramの1,2,A,Bの4つがフルにつながっていないdiagramは自明な1にあたることを見てきました。これらがフルにつながっているdiagramが散乱に寄与しています。しかしdiagramの外線にあるループが無限大を作ってしまいます。しかしこれを物理的な解釈をすることで切り落として無限大の問題を回避します。

connectedとamputatedの定義

ループは結局運動量を保存しているのでループにつながる外線は相互作用していない粒子で、ループから相互作用点へと向かう内線が相互作用する粒子だと考えると、ループと外線は散乱に寄与してこないと考えることができるので散乱についてはこれらを切り落として考えることができます。これをamputateと言います。結局まとめると散乱の非自明な部分はフルにconnectedされて、amputatedされたdiagramによって評価することができることになります。

また最後に今までのFeynman rulesをまとめてこのセクションは終わりです。少し最後は駆け足になりましたが今回の場の量子論のまとめはこんな感じです。やっと散乱断面積を計算することができてよかったです。実験で実際に観測している量が計算できたのは実際の世界と繋がった感じがしてやっとここまできたかという感じがします。しかし実際の世界はfermionばっかなので次のSectionからfermionなのでそこをしっかりできてこそ実際の世界とリンクした感じがするのかもしれません。

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