LaTeX 入門 4 -式番号を参照する-
今回は式番号や図の番号を参照するやり方とLaTeXのコメントについてです。
番号有効活用しようぜ。
LaTeXは数式や図の番号を自動的に割り振ってくれます。
しかしどの式に何番がついたのかをいちいち確認したり、式の番号が変わったりしたら本文の式番号を参照しているところ((3)式よりとか)を変更するのも手間ですよね。
しかしそれもちゃんと解決してくれるのがLaTeXのいいところです。
\labelコマンドと\refコマンド
例えば
\begin{equation} y = ax^2 + bx +c \end{equation}
という式があった時にこの式を参照した本文を書きたいと思います。
(1)式よりx = 1 のときy = a+b+cとなる。
と書いてもいいのですが、この式番号が動くと本文も変えなくてはならないので
この式番号と本文での参照している部分をリンクさせて、番号が動く時は両方が同時に動くようにします。
まず、\label{}コマンドで式にラベルをつけます。
\begin{equation} \label{quad} y = ax^2 + bx +c \end{equation}
今回は quad というラベルをつけました(Quadratic equation:二次方程式)。
これのラベルをつけた式番号を参照するには\ref{}コマンドを使います。
(\ref{quad})式よりx = 1 のときy = a+b+cとなる。
括弧は書かないといけないので注意してください。
数式の例
\documentclass{jsarticle} \begin{document} 二次方程式Quadratic equationを書いてみる。 \begin{equation} \label{quad} %ここでラベルをつけた. y = ax^2 + bx +c \end{equation} %refコマンドで上の式を参照. (\ref{quad})式より\(x = 1\) のとき\(y = a+b+c\)となる。 \end{document}
コンパイルするときの注意ですが手動コンパイルの方は\labelなどを使った時は2回コンパイルしてください。
1度目のコンパイルで\labelを読み込んで2度目のコンパイルで\refのところに反映するためです。
自動コンパイルの方でも参照しているところが
(??)式
などのようになっていたらもう一度手動でコンパイルしてください。
図の番号を参照する例
図の番号を参照するのも同じようにできます。
\documentclass{jsarticle}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\begin{document}
ここは LaTeX の本文です。それでは図を挿入してみましょう。
\begin{figure}[htbp] \centering \includegraphics[width=100mm]{testimage.png} \caption{注釈です。} \label{image} \end{figure}
上の図の番号を参照してみます。 図\ref{image}から位置と角運動量の位相がずれていることがわかります。
\end{document}
注意として、画像の時は\labelコマンドを\includegraphicsの下に書いてください。
LaTeXのコメント
最初で書けばよかったのですがLaTeXではプログラミングでいうコメントが書けます。
\documentclass{jsarticle} \begin{document} ここは本文で表示されます。 % 右の記号(パーセント)以降の1行は表示されません。 \end{document}
こう書くと%以下の1行は表示されないのでコメントとしてLaTeXの中に書くことができます。
コメントを書いておくと後々見やすかったりします。
複雑な数式を書いていてコマンドが増えて見づらくなった時に後で見返すようとして
%なんとかの式の計算過程
とかとコメントを書いておくのもいいですし、
%********ここから新しい話*********
などとしてLaTeXのソースを区切って使ってもいいでしょう。
まとめ
式番号などを参照する時は
equation環境やfigure環境内に
\label{}コマンドでラベルをつけて、
本文中で\ref{}コマンドを使って参照する。
LaTeXのコメントは%を使って一行コメントにする。
今回は軽めでした。
これで一旦LaTeX入門チュートリアルは終わりです。簡単な文書はLaTeXを使って書けるようになったのではないでしょうか。 あとは慣れと、わからないことがあったらググって解決でよりよりLaTeXライフを!!