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問題の答えと 正準交換関係

-流れ

問題の答えと(問題はこちらの記事の1番で出されています)
量子力学で最も重要な交換関係,正準交換関係について書いていきます.




1.交換子[\hat{p},\hat{p}]と求めましょう.(\hat{p},\hat{p}が交換するか?)
2.[\hat{p},\hat{x}]を求めよ.
3.[\hat{x},\hat{p}]を求めよ.

という問題の答えを書いていきます.
1.交換子[\hat{p},\hat{p}]を求めましょう.(\hat{p},\hat{p}が交換するか?)
[\hat{p_x},\hat{p_y}]=i\hbar\frac{\partial}{\partial x}\cdot i\hbar\frac{\partial}{\partial y}-i\hbar\frac{\partial}{\partial y}\cdot i\hbar\frac{\partial}{\partial x}
=i\hbar(\frac{\partial}{\partial x} \cdot \frac{\partial}{\partial y} - \frac{\partial}{\partial y} \cdot \frac{\partial}{\partial x})
そして偏微分は交換するので(少なくともいまやっている物理ではそう思っていい)
[\hat{p_x},\hat{p_y}]=i\hbar(\frac{\partial}{\partial x} \cdot \frac{\partial}{\partial y} - \frac{\partial}{\partial y} \cdot \frac{\partial}{\partial x})=
i\hbar(\frac{\partial}{\partial x} \cdot \frac{\partial}{\partial y} - \frac{\partial}{\partial x} \cdot \frac{\partial}{\partial y})=0
つまり答えは
[\hat{p_x},\hat{p_y}]=0

2.[\hat{p_x},\hat{x}]を求めよ.
これは少し注意しなければなりません.なので隠れている任意の関数\psi(x,t)をしっかり書いていきましょう.
[\hat{p_x},\hat{x}]\psi(x,t)=(\hat{p_x}\hat{x}-\hat{x}\hat{p})\psi(x,t)
______________次に \hat{p_x}=-i\hbar\frac{\partial}{\partial x},\hbar{x}=xを使って
[\hat{p_x},\hat{x}]\psi(x,t)=(-i\hbar\frac{\partial}{\partial x}x-x(-i\hbar\frac{\partial}{\partial x}))\psi(x,t)=-i\hbar(\frac{\partial}{\partial x}x-x\frac{\partial}{\partial x})\psi(x,t)
______________左辺の第1項を計算してみましょう.
______________\frac{\partial}{\partial x}x \psi(x,t) =\psi(x,t) + x\frac{\partial}{\partial x}\psi(x,t)=  (1+ x\frac{\partial}{\partial x})\psi(x,t)
これを元の式に戻すと
[\hat{p_x},\hat{x}]\psi(x,t)=-i\hbar(\frac{\partial}{\partial x}x-x\frac{\partial}{\partial x})\psi(x,t) = -i\hbar(1+ x\frac{\partial}{\partial x}-x\frac{\partial}{\partial x})\psi(x,t)=-i\hbar\psi(x,t)
よって
[\hat{p_x},\hat{x}]\psi(x,t)=-i\hbar\psi(x,t)
関数を省略すると
[\hat{p_x},\hat{x}]=-i\hbar


3.[\hat{x},\hat{p}]を求めよ.
[\hat{x},\hat{p_x}] = \hat{x}\hat{p_x}-\hat{p_x}\hat{x}=-(\hat{p_x}\hat{x}-\hat{x}\hat{p_x})=-[\hat{p_x},\hat{x}] = i\hbar
よって
[\hat{x},\hat{p_x}]=i\hbar

このようになります.
2と3は交換子の中を入れ替えただけなのでマイナスだけが変わります.これは一般の交換子にも言えることです.
また運動量と座標の交換関係を正準交換関係といい
[\hat{x},\hat{p_x}]=i\hbar
この式は量子力学で最も重要な式になります.

では正準交換関係について

正準交換関係 [\hat{x},\hat{p_x}]=i\hbar

いろんなところで出てきますし,この式から色々導くことができ,意味していることも多いので.
またこれはy,zにも成り立ちます.
[\hat{y},\hat{p_y}]=i\hbar
[\hat{z},\hat{p_z}]=i\hbar

しかし別の座標と運動量の交換子を計算すると0になります.つまり交換します.
[\hat{x},\hat{p_y}]=0
[\hat{z},\hat{p_x}]=0 など
実際にこうなるか自分で確かめて見ましょう.

これをまとめてみます.
x = r_1,y=r_2,z=r_3
p_x = p_1,p_y=p_2,p_z = p_3
のように添字で座標と運動量の成分を表現します.
そうすると正準交換関係は以下のように書けます.

[\hat{r_i},\hat{p_j}]= \left\{
    \begin{array}{l}
      i\hbar(i=jのとき) \\
      0(i≠jのとき)
    \end{array}
  \right.

またこれをクロネッカーのデルタ
\delta_{ij}= \left\{
    \begin{array}{l}
      1(i=jのとき) \\
      0(i≠jのとき)
    \end{array}
  \right.
をつかって正準交換関係をカッコよく書くと
[\hat{r_i},\hat{p_j}]=i\hbar\delta_{ij}
となります.これも知っていると便利ですが
まずは
[\hat{x},\hat{p_x}]=i\hbar
を覚えておくのがまず大事なので
これだけは忘れないようにしましょう.