場の量子論ゼミ
場の量子論ゼミのまとめ
大学では場の量子論のゼミを週一でやっています。
もう何回目かは覚えていないけれどもまとめを書いておきます。
他に場の量子論を学ぶというかpeskinを読んでいる人に少しでも役に立てば。
ゼミで使っている場の量子論の本
輪読本にはPeskin , SchroederのQuantum Field Theoryを使っています。
An Introduction To Quantum Field Theory (Frontiers in Physics)
- 作者: Michael E. Peskin,Daniel V. Schroeder
- 出版社/メーカー: Westview Press
- 発売日: 1995/10/02
- メディア: ハードカバー
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今日はp54から
Chapter 3 The Dirac Fieldのp54から
の途中でディラック場の量子化に取り組んでいる途中からのスタートです。
Klein-Gordonのときと同じように演算子に交換関係
を課して、ハミルトニアンは
となってこの形からに作用させた時にが生成演算子(エネルギーを上げる演算子)でないといけないということになった。 という入れ替えを交換関係で行おうとしてもできない。
そのままプロパゲータを計算したがbが消滅演算子であるということでKlein-Gordon のときとは違う感じでおかしいというところまできました。
交換関係を捨てて反交換関係を見つける
つまりbについての交換関係とが生成演算子であることは共存できない。
ということになったので、ここで交換関係を捨てることにした。
それでいろいろやっていくとは消滅演算子だといい感じになることがわかって、
計算を本の通りに進めていくと、場の演算子が反交換関係を満たすということがわかって
生成消滅演算子も反交換関係を満たすことがわかる。
これにより、ハミルトニアンのbの項を書き直すとエネルギーが全て正でかけることができいい感じになった。
まあつまりDirac場の量子化では反交換関係にしないといけなかったんだな。
なぜ反交換関係なのか(3.95)式のマイナスはどこから来たのかというとこれは
Dirac方程式の微分の階数が1階であることからきている。
Klein-Gordon方程式は2階なのでDiracとは違うということになっている。
ちゃんと運動方程式からきているもんなんだなーって感じるな。
p58はDirac場の量子化まとめ
まあそんなこんなでp58まできてDirac場の量子化のまとめ。
p59 ローレンツ変換から見てみる
p59からはローレンツ変換から見てみようというアプローチ。
(3.110)というのは(3.2)式とは違った感じだがこれはここではpassiveな見方で座標系を回して変換。
前はactiveで場の方が動いて変換なのでローレンツ変換が違った形に見える。
p59 Dirac粒子のスピン
p60 次はDirac粒子のスピンが本当に1/2になるの?ってところを見ていった。
そうそう。反交換関係っていうのは粒子を入れえたら符号が変わるっていうことも意味しているのでDirac粒子は、
Fermi-Dirac統計にしたがう、つまりスピンが1/2になるってことも予想できるよねって話もここの少し前でやったな。
それでスピンというのは角運動量なのでまず角運動量演算子を作ろうかということで作っていった。
角運動量は回転対称性から出る保存量でもあるのでネーターの定理から作っていく。
まあここでローレンツ変換から作った保存量なので6つ保存量があるのだが(3.111)式みたいに3つだけとってまとめても相対論的ではないよな。
話を戻してスピンを見たかったのだから運動量が0の状態に角運動量演算子を作用させればスピンが出てくるのでそうしてみると、
そうするといい感じに出てくるし反粒子は符号逆で出てくるしなんかいい感じ。
Chargeについて
ここでDirac理論の重要なChargeを計算する。
それで出てきたチャージの固有値は1or-1になると。
ここで量子電磁気学ならここで粒子は電子(electron)で反粒子は陽電子(positron)になり、
電子はChargeが+1なんだなと思うよね。
まあ定義の問題なんだけれども電子の方が現実に多いのだからこちらが粒子で陽電子が反粒子なのは自然だから、
素直に電子はChargeが+1がいいよねって話。歴史的に電子はマイナスで先に定義されてしまったのだけれども。
電磁気って歴史に振り回されがちな気もする。
こんな感じで今週は終わり。